最近の裁判例からー2
2016/04/04
遺言相続に関する最近の裁判所の判例を紹介します。
参考になれば幸いです。
・事件名 遺言無効確認請求事件
・裁判 年月日 平成27年11月20日
・法廷名 最高裁判所 第二小法廷
・裁判で問われたこと
故人が赤いボールペンで全面に斜線を引いた遺言書は有効かが争われました。
・裁判所 判決
遺言者が自筆証書である遺言書の文面全体に、左上から右下に故意に斜線を
引く行為が民法1024条前段所定の「故意に遺言書を破棄したとき」に該当
し遺言を撤回したものとみなされる。
相続の対象から外れた娘(長女)が「父が書き損じた年賀状にも同じように
斜線が引かれているので遺言書は無効だ」などと訴えました。
1審2審は「文字が読める程度の消し方では、遺言を撤回したとは言えない」
として訴えを退け、長女が上告していました。
(参考)民法1024条:遺言者が故意に遺言書を破棄したときは、その破
棄した部分については、遺言を撤回したものとみなす。遺言者が故意に遺贈
の目的物を破棄したときも、同様とする。
ー以上ー